Wi-Fi 7とは

Wi-Fi 7とは

Wi-Fi Allianceによって導入されたWi-Fi 7（802.11be）は、Wi-Fi 6およびWi-Fi 6Eの後継となるWi-Fiテクノロジーの最新規格です。Wi-Fi 7では、遅延の削減、ネットワーク容量の増加、効率の向上のために、さまざまな新技術とプロトコルを採用しています。高密度環境でのクライアント接続や、ビデオストリーミング、拡張現実（AR）および仮想現実（VR）エクスペリエンスにおいて、接続を最大100%高速化し、ユーザーエクスペリエンスを大幅に改善します。

Wi-Fi 7のカギとなる機能がデータスループットを向上させ、優れた信頼性が要求される洗練されたユースケースにおいて確定的な遅延をサポートします。Wi-Fi CERTIFIED 7™には、以下の新しい機能が含まれています。

• 320MHzの超広帯域チャネルは6GHzでのみ利用可能であり、Wi-Fi 6の2倍のスループットを提供することで、マルチギガビットWi-Fiデバイス速度を実現します。
• マルチリンク運用（MLO）は、リンク間のトラフィックのより効率的なロードバランシングに対応し、スループットと信頼性を向上させます。
• 4K QAMは、Wi-Fi 6の1024 QAMよりも伝送レートを20%向上させて効率性を向上します。
• 512 Compressed Block Ackは、効率を改善してオーバーヘッドを削減します。
• 1つのSTAに複数のRUを割り当てることで、スペクトルリソースにおけるスケジューリングの柔軟性が向上し、スペクトル効率を高めます。

これらのメリットは、Wi-Fi 7クライアントデバイスでのみ利用できます。何世代にもわたるWi-Fiイノベーションを経験してきたジュニパーでは、2026年までには普及が加速するであろうと予測していますが、Wi-Fi 7対応デバイスの早期リリースは2024年秋頃と予想されるため、今すぐ準備を開始することが重要です。

Wi-Fi 7によって解決される問題とは

Wi-Fi 7は、ますます接続が進む環境におけるデータスループットと信頼性の向上に対する需要の高まりに対処します。複雑で高密度なユースケースに直接対応するため、以前のWi-Fi世代に存在していたいくつかの課題を克服する設計になっています。

この規格では、6GHz帯域専用の320MHzの超広帯域チャネルが導入されており、Wi-Fi 6の2倍のスループットを達成します。この機能は、帯域幅を多用するアプリケーションで要求されるマルチギガビットの速度を処理するために極めて重要であり、従来のWi-Fi帯域に現存する混雑に対する解決策となります。

さらに、マルチリンク運用（MLO）がリンク全体のロードバランシングを強化することで、Wi-Fiエクスペリエンスをさらに向上させます。その結果、スループットが大幅に増加し、信頼性も飛躍的に向上するため、既存の構成で非常に重大な問題となっているネットワーク負荷のアンバランスによる不規則なパフォーマンスを解決します。

さらに、1024 QAMから4K QAMへと飛躍的に進歩したことで、伝送レートが20%向上し、効率性も高めます。Wi-Fi 7は、512 Compressed Block Ackと、単一のステーション（STA）に複数のリソースユニット（RU）を割り当てる機能も備えており、スペクトル効率性を飛躍的に向上させ、オーバーヘッドの削減を保証します。

つまり、Wi-Fi 7のイノベーションは、これまでのような遅延や非効率性といった負担なしに、AR/VRなどの没入型エクスペリエンスを促進するネットワークのバックボーンとなります。

他のすべての新世代のWi-Fiと同様に、Wi-Fi 7への移行には体系的な計画が必要となります。特に、電力を増加する必要性、継続的な管理に関する考慮事項、高速化されたデバイスの増加によってもたらされる攻撃対象領域の拡大などを考慮する必要があります。レガシーデバイスをWi-Fi 7の洗練度に合わせて進化させる必要がありますが、エコシステムを成熟させるには時間が必要です。

Wi-Fi 7の仕組みとは

Wi-Fi 7（IEEE 802.11be）は、Wi-Fi 6で導入された大幅な進歩とWi-Fi 6Eによる6GHzスペクトルへの拡張をもとに構築されており、無線ネットワーキング技術の次の進化を象徴しています。Wi-Fi 7は、大規模なキャンパス、スタジアム、空港、会議センターなどの高密度環境でのユーザーエクスペリエンスを確実に再定義し、ビデオのストリーミングやARおよびVRなどの帯域幅を多用するアプリケーションをサポートします。

Wi-Fi 7は、無線技術の限界を押し上げるいくつかの革新的な機能を統合することで、接続性を強化します。

• 320 MHzチャネル：6GHz帯域専用のこれらのチャネルは、Wi-Fi 6と比較してスループット機能を効果的に2倍にします。この強化によりマルチギガビットの速度が促進され、Wi-Fiネットワークのパフォーマンスが新たな高みへと押し上げられます。
• MLO（マルチリンクオペレーション）：MLOは、デバイスが複数のWi-Fi帯域を同時に利用できるようにする極めて重要な機能です。これにより、トラフィックがより効率的に分散されてスループットが向上するだけでなく、信頼性が強化され遅延も削減されます。これは、一貫性のある堅牢な接続を必要とするアプリケーションにとって不可欠です。
• 4K QAM（直交振幅変調）：Wi-Fi 7は4K QAMを活用して、Wi-Fi 6の1024 QAMよりも伝送レートを20%向上させます。この高い変調スキームによりデータスループットが促進され、電波の効率化を実現します。
• 512 Compressed Block Acknowledgment BlockAck）：この機能は、確認応答を効率的に処理することでオーバーヘッドを削減し、その結果データレートが高くなり、全体的なネットワークパフォーマンスが向上します。
• 複数のリソースユニット（MRU）の割り当て：スペクトルリソースのスケジューリングの柔軟性が強化されたことも大きな進歩であり、高密度ネットワーク環境において非常に重要となるスペクトル効率の向上がもたらされます。

戦略的な導入に関する考慮事項

導入前に、企業は以下を検討する必要があります。

• インフラストラクチャの準備：ネイティブなIT運用のための人工知能（AIOps）が組み込まれたクラウドベースのネットワークアーキテクチャに移行することが重要です。Wi-Fi 7の潜在能力を最大限に活用するには、クライアントとデータのフローの増加に動的に適応し、複雑な運用を簡素化し、高まる需要をシームレスに管理できる最新のネットワークが必要です。

• アクセスポイントの電力要件：320MHzチャネルや4K QAMなどの機能をフル活用するため、Wi-Fi 7アクセスポイント（AP）は、前世代のAPよりも大幅に高い電力を使用します。スマートビルのアプリケーションでは、効率的な電力の使用はデバイスだけに留まりません。スイッチを介して電力を統合することで、建物の電気システムに負担をかけることなく直接電力を供給することができ、スマート照明などのスマート技術を取り入れた持続可能な導入と管理に役立ちます。

• デバイスのエコシステム：Wi-Fi 7技術の採用率は2025年に加速し始め、2026年までには幅広く普及することが予想されます。その一方で、企業は、Wi-Fi 7によって接続デバイスの数とタイプが劇的に増加し、攻撃対象領域も拡大することを考慮する必要があります。今後は、セキュリティ態勢のギャップを埋めるためには、最新かつ堅牢なネットワークアクセス制御（NAC）が不可欠となります。NACソリューションは、ネットワークへのアクセスを許可する前にデバイスで確認と検証を実施することで、ゼロトラストセキュリティポリシーを適用します。

• 短期的な導入については、企業はまずWi-Fi 6Eを活用することに焦点を当てる必要があります。これは、特に6GHzスペクトル内での運用において、基盤の一部をWi-Fi 7と共有するためです。

ジュニパーなどのネットワーキング企業は、Wi-Fi 6E対応ジュニパーAP45、AP34、AP24、屋内または屋外AP64などの製品や、新しいWi-Fi 7対応AP47などの製品を提供しており、これらの変革を推進するための道を拓きます。Wi-Fi 6EおよびWi-Fi 7 APには、6GHzスペクトル以上からの高まる要件に対応できる高度な機能が組み込まれています。ジュニパーのAIと自動化に重点を置く方向性は、ネットワーキングの運用と制御コストを簡素化するためのアプローチが必要であることも強調しています。

今後の展望

これまでにないデータ速度を備え、次世代アプリケーションからの要求を処理し、増大し続ける無線デバイスの数に対応できるWi-Fi 7は、将来性を考えたエンタープライズネットワークの基盤となります。企業は、アーキテクチャを最新化し、運用戦略を適応させることで、これらの進歩に備える必要があります。

ジュニパーなどのネットワーキング企業は、Wi-Fi 6E対応ジュニパーAP45、AP34、AP24、屋内または屋外AP64などの製品や、新しいWi-Fi 7対応AP47などの製品を提供することでこれらの変革を推進するための道を拓いており、6GHzスペクトル以上からの高まる要件に対応できる高度な機能が組み込まれています。ジュニパーのAIと自動化に重点を置く方向性は、ネットワーキングの運用と制御コストを簡素化するためのアプローチが必要であることを強調しています。

ジュニパーネットワークスの実装

ジュニパーネットワークスは、AIネイティブネットワーキングアプローチでWi-Fi 7への移行を簡素化することで、運用を合理化し、最適化、拡張、俊敏性、セキュリティによって優れた無線エクスペリエンスを提供します。ジュニパーは、新しいアクセスポイント（AP）と高電力スイッチをJuniper Mist AIと密接に統合させることで、Wi-Fi 7のメリットを最大限に活用できる事前対応型のネットワーク管理を提供することができます。このプラットフォームアプローチでは、Wi-Fi 7で実現する高スループットと低遅延をサポートするだけでなく、SD-WAN、ファイアウォール、位置情報サービス、ネットワークアクセス制御（NAC）などの他のネットワーキングスタックとも簡単に統合することができます。

堅牢なEX4400-48MXPおよびEX4400-48XPなどが含まれるジュニパーEXスイッチはWi-Fi 7ネットワークの要件を満たすように設計されており、持続可能性が優先されるスマートビルや環境に最適です。これらのスイッチは、最大3600Wのパワーオーバーイーサネット（PoE）を提供するため、Wi-Fi 7アクセスポイント（AP）に必要とされる高電力要件や、スマートビル内のその他の重要なシステムをサポートするのに理想的です。