仮想Bluetooth LE（vBLE）技術とは何ですか？

仮想Bluetooth LE（vBLE）技術とは何ですか？

vBLEを理解するためには、Bluetooth®とBluetooth® Low EnergyBLE（BLE）を理解するとよいでしょう。Bluetoothは、デバイス同士を主に短距離で接続するための無線通信技術です。たとえば、無線ヘッドセット、キーボード、マウス、ハンズフリーシステムがスマートフォンやコンピュータと通信できるようになります。BLEは、BluetoothやWi-Fiと同様に2.4GHz帯で動作し、デバイス同士を接続してパーソナルエリアネットワークを形成します。ただし、BLEは低電力消費型で、接続が開始されない限りはスリープモードを維持します。 

仮想Bluetooth LE（vBLE）はBLEに構築されます。物理的ビーコンではなく仮想ビーコンを使って、BLEセンサが内蔵されたデバイスを正確かつ安価に見つける、室内位置情報サービスのための特許取得済みの技術です。vBLEは、特許取得済みの16素子指向性アンテナアレイにより、独自のRFエネルギーを多方向に送ることでこれを可能にします。vBLE対応のWi-FiやBluetoothのアクセスポイントから発信されるvBLE信号により、サイトにバッテリー駆動のBLEビーコンを物理的に設置する必要はなくなります。代わりに、位置情報サービスアプリケーションは、仮想BLEビーコンとAI/MLエンジンによって収集されたデータを使用して、モバイルデバイス位置を非常に高い精度で計算します。

このように、vBLEによって、企業は、エンゲージメントが高く、正確か拡張可能なリアルタイム位置情報ベースのエクスペリエンスを、コスト効率よく顧客と従業員に提供することができます。 

vBLEはどういった問題を解決しますか？

vBLEは、大規模な物理的BLEネットワークを導入することに伴うコストと運用上の課題を克服します。従来のビーコン技術では、バッテリー駆動デバイス（発信機）を大量に設置する必要があります。

• 各環境でビーコンの性能と精度を最大限に高めるよう手配およびキャリブレーションするため、包括的なサイト調査が求められます。これは、初回の導入時にも継続的にも必要です。環境へ変更があった場合、新しいサイト調査と再キャリブレーションが必要となります。その理由は、RF信号が、新製品のディスプレイ、新しい、または配置替えした家具、または大量の人の流入など、環境に対する物理的な変化によって影響を受ける可能性があるからです。こうした状況では、物理的ビーコンを再キャリブレーションできるまで、位置情報サービスシステムのパフォーマンスは低下します。
• 導入コストが高い。多くのユースケースでは、適切なカバレッジを実現するためには1つの場所に数千の物理ビーコンが必要になり、コスト面の障壁はかなりのものになります。
• バッテリーのメンテナンスは問題が多い。バッテリー寿命は向上したものの、大企業は世界中に分散する数万のビーコンを導入する可能性があります。消耗したバッテリーを探して交換する業務は、導入が増えるにつれて複雑かつ困難になる恐れがあります。
• 物理ビーコンにはIPアドレスがありません。そのため、ネットワークによって識別して、ITがリモートで管理するというわけにいきません。
• 外観。バッテリー駆動のビーコンは壁に接着されますが、通常、25フィート間隔で設置されます。そのため、ホテルや美術館など美観を重視する場所では、外観に悪影響を及ぼすことが多く、NGになることがあります。
• 盗難と損傷のリスク。バッテリー駆動のビーコンは盗まれたり、壁から引きはがされたりする可能性があり、管理上の懸念が高まります。

仮想BLEは、ユーザーと顧客に優れた位置情報エクスペリエンスを実現しながらも、ソフトウェア定義のビーコンに付随するこれらの課題に対処します。

vBLEの主なメリットは何ですか？

仮想化された無線ビーコン技術を使うことで、継続的、リアルタイム、かつ拡張可能なモバイル位置計算が可能となり、導入する企業に対して次のようなメリットを提供します。

• BLE対応デバイスを探すために最適な精度
• リアルタイムの道案内、アセットトラッキング、および近接性メッセージ/マーケティングなど、位置情報サービスを使ってユーザーエクスペリエンスを向上
• ファシリティ全体で人員とアセットの配置と管理を改善することにより、効率と収益の向上

vBLEの仕組みを教えてください。

ジュニパーネットワークスが保有する特許技術であるvBLEは、既存のWi-FiやスタンドアロンのBluetoothネットワークに仮想ビーコンを追加することで稼働し、バッテリー駆動の物理ビーコンは不要になります。

vBLEの構成要素：

• 16アンテナvBLEアレイ。ジュニパーのWi-FiとBluetooth APのダイナミック16アンテナvBLEアレイは、BLE信号で部屋全体をカバーし、投資を最小限に抑えて最大の拡張可能性を確保します。
• AI/ML。ジュニパーのAPは、すべてのモバイルデバイスからリアルタイムでデータを収集して分析し、正確な位置推定を実現し、手動で時間のかかるサイト調査とキャリブレーションを不要にします。
• 仮想ビーコン。特許のvBLEでは、ビーコン機器を物理的に設置および移動するのではなく、マウス（またはAPI経由）をクリックするだけで、仮想ビーコンを導入および移動できます。これにより、場所に応じた状況を無線導入する際に活用できる、より拡張性、費用対効果の高いソリューションを提供します。
• プログラム可能なSDK。vBLEはジュニパーのモバイルSDKと100%プログラム可能であり、これにより完全な自動化および/または補足製品とシームレスな統合のためのオープンAPIが提供されます。

ジュニパーがvBLEを実装する方法

ジュニパーのvBLEアレイ技術は、屋内位置情報サービスに通電するための特許取得済み16要素指向性アンテナアレイを使って、Wi-FiとBluetoothアクセスポイントで有効化されます。さらに、ジュニパーの屋内位置情報サービスはジュニパーのvBLEアレイ技術とクラウドベースのMLを活用して、導入のコストを低減して、道案内から位置情報ベースの近接性通知まで、リアルタイムの屋内位置情報サービスを改善します。高価なWi-Fiサービスやバッテリー駆動の物理的Bluetoothビーコンがなくても、ビジネスはモバイルユーザーに簡単に働きかけることができます。