ジュニパーネットワークス、5GおよびIoTに対応可能な新しいルーティング・プラットフォームを発表
拡張されたプログラマビリティ、向上した柔軟性、セキュアなシリコンを特長とした 新たな「MXシリーズ5Gユニバーサル・ルーティング・プラットフォーム」により 今後10年以上にわたるサービス提供を支援
ジュニパーネットワークス(本社:カリフォルニア州サニーベール、NYSE: JNPR)は本日、新たな「MXシリーズ5Gユニバーサル・ルーティング・プラットフォーム」を発表しました。これにより、ソフトウェアの強化とあわせて、クラウドを活用して迅速にサービスを導入ために必要なプログラマビリティ、パフォーマンス、柔軟性を将来にわたって提供します。今回の発表は、ジュニパーネットワークスがこれまでグローバルなクラウドプロバイダおよびサービスプロバイダにおいて業界をリードしてきた「MXシリーズ」プラットフォームの第五世代目となります。優れたパフォーマンスを実現する「MXシリーズ5Gユニバーサル・ルーティング・プラットフォーム」は、卓越したプログラマビリティ、コスト効率、汎用性を提供する業界唯一のプラットフォームとなります。この製品はキャリア、クラウド、エンタープライズのお客様が次世代のサービスを提供するうえで必要となる技術上およびビジネス上の進化に対応できるよう、ソフトウェアとハードウェアを基盤としたネットワーキングテクノロジーを組み合わせています。
サービスプロバイダでは、5GやセキュアなSD-WANベースのマネージドサービスといったこれまでにないリソース集約型のアプリケーションに対応するため、ネットワークが複雑になり、その運用コストが収益を圧迫する状況になっています。またIoTセンサや通信事業者の分散型エッジ、さらにはクラウド・コンピューティングからのマシンデータも増加しているため、既存のネットワークでは対応しきれない状況も予想されます。特にサービスプロバイダが利用している既存のインフラは、新しいサービスで必要とされるスケーラビリティや俊敏性を備えるには複雑かつコスト高であり、またサイバー脅威に対しても脆弱です。
ジュニパーではサービスプロバイダのお客様を対象に、SD-WAN、IoTおよび5Gをはじめとした次世代のサービスを提供する際の課題について調査を実施したところ、下記が判明しました。
- 半数以上(55%)のお客様で、インフラ拡張にかかるコストが課題の第1位または第2位となりました。
- 約40%のお客様で、分散型ネットワークのオーケストレーションに伴う複雑性が課題の第1位または第2位となりました。
- これらの課題を解決するにあたり、半数以上(55%)のお客様がデータプレーンのプログラマビリティによって投資を保護できる機能を第1位または第2位に挙げました。
このような課題に対応し、5G、IoT、およびビジネスサービスに向けた新世代のルーティングに対応するため、ジュニパーネットワークスは「MXシリーズ5Gユニバーサル・ルーティング・プラットフォーム」を設計しました。この製品には、無限ともいえるほどのプログラマビリティを可能にした新たなシリコンが採用されており、卓越した性能と拡張性、幅広い選択肢を実現するハードウェアアクセラレータを持つオープンな5G のC/U分離(CUPS)を採用しています。また、運用の簡素化と経済性、俊敏性の向上を目的として「Universal Chassis (ユニバーサルシャーシ)」が設計されています。
「Contrail」の包括的な自動化とソフトウェア管理オーバーレイ機能は、MXのサブスクライバー管理、SPRING、強化されたリアルタイム・パフォーマンス監視のテレメトリデータとあわせて活用することで、セキュアで自動化された分散型クラウド環境で、あらゆるサービスの創出と拡張をシンプルに実現できるようになります。
本ニュースのハイライト
- 「Juniper Penta Silicon」:ジュニパーネットワークスの新しいシリコン「Juniper Penta Silicon」は、「MXシリーズ5Gプラットフォーム」の要となっています。次世代サービスに最適化された16nmのパケット転送エンジンとなる本シリコンは、既存の「Junos Trio」チップセットと比較して50%の電力効率向上(ギガビット当たり0.5ワット)を実現し、「MX960」、「MX480」、「MX240」の帯域幅を3倍に拡大します。また、パフォーマンスを損なうことなく、数千ものIPSecセッションを開始/終了できるMACsecおよびIP-Secのクリプト・エンジンをネイティブサポートしており、エンドツーエンドの大規模な接続性をセキュアに提供します。さらに、Flexible Ethernet(FlexE)にも対応しています。「Juniper Penta Silicon」ファミリーは今後、新製品である「MXシリーズ5Gプラットフォーム」のコアとして、パフォーマンスと電力効率の飛躍的な向上と、将来のプロトコルにも対応できるようハードウェアのプログラマビリティを提供します。
- MX 5GのC/U分離(CUPS)によるハードウェアの高速化:サービスプロバイダが5Gの導入を進めるなか、3GPP CUPSによってパケットコアをユーザープレーン(GTP-U)とコントロールプレーン(GTP-C)に分離することが可能となります。また、標準化されたSxインターフェースでそれぞれ個別に拡張できるため、柔軟性の向上と投資の保護が実現します。「MXシリーズ5Gプラットフォーム」は、既存および将来のMXルーターに搭載されるハードウェアアクセラレーションベースの5Gのユーザープレーンを標準で対応する、初めてのネットワーキング・プラットフォームとなります。これにより、同一プラットフォームでのコンバージドサービス(無線および有線)を提供すると同時に、サードパーティ製5Gコントロールプレーンと統合できるようになります。また、実際に導入するMXシリーズのTCOは、ソフトウェア基盤のユーザープレーン導入に比べ3分の1から4分の1まで低減できる見込みです。
- 「MX10008」および「MX10016 Universal Chassis」:次時代のクラウド、エンタープライズ、キャリア・ネットワーキングにおいて、サービスを継続して拡張するためのイノベーションとして、昨年発表した「PTX」および「QFX Universal Chassis」に、今回「MX10008」および「MX10016」が加わりました。ジュニパーネットワークスの「Universal Chassis」ファミリーは、シングルシャーシ設計により、インベントリ管理における複雑さを80%軽減するだけでなく、オペレータに柔軟な使い勝手をもたらします。13-RUの「MX10008」および21-RUの「MX10016 Universal Chassis」は、それぞれ19.2Tbpsと38.4Tbpsでエッジルーターとして業界トップの省スペース性を実現します。また、ギガビット当たり最大0.6ワットで、サービス提供に必要なスロットあたりの経済性を改善するため、少ない労力でより多くの作業を支援するとともに、ネットワーク設計を簡素化し、運用コストを削減できます。さらに、さまざまなラインカードとソフトウェアが利用できるので、データセンター、エンタープライズ、WAN全体にわたるネットワーキングの活用が可能になります。
「MX10008」および「MX100016」は2018年下半期に発売予定です。「Juniper Penta Silicon」を搭載した「MX960」、「MX480」、「MX240」向けのラインカードは2019年第1四半期に発売予定です。新たなCUPS対応は2019年上半期に提供開始となります。
参考資料(英語):
- 本件に関するブログ
- ジュニパーネットワークスの「MX10000 Universal Chassis」に関する詳細
- ジュニパーネットワークスのルーティングについて
- 本リリースはジュニパーネットワークス本社が2018年6月12日(現地時間)付けで発表したニュースリリースの抄訳版です。
ジュニパーネットワークスについて
ジュニパーネットワークスは、私たちのつながり方、働き方、生活に変革をもたらすクラウド時代において、製品、ソリューション、サービスにより、複雑なネットワークの簡素化を実現します。弊社は、顧客とパートナー企業に向けて、世界をつなぐ、自動化、拡張性を備えたセキュアなネットワークを提供するため、ネットワークをそれまでの制約から解放します。ジュニパーネットワークスに関する詳細な情報は、以下をご覧ください。
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