パッシブ光ネットワーク（PON）とは？

パッシブ光ネットワーク（PON）とは？

パッシブ光ネットワーク（PON）は、光学技術を使用して、単一ソースから複数のエンドポイントにデータを配信することができます。「パッシブ」とは、電力が供給されていないスプリッターに光ファイバーケーブルを接続することです。これにより、サービスプロバイダネットワークから複数のお客様にデータが送信されます。技術的にスプリッターのみがパッシブである理由は、機能するために送信元でまだネットワークに電力と受信が必要なためです。 

パッシブの他に、アクティブ光ネットワーク（AON）があります。主な相違点はユーザーごとに必要なファイバー数にあり、また、PONアーキテクチャにはスプリッター コンポーネントが使用されています。AONは、電力供給された（つまり「アクティブ」な）ルーターまたは集約スイッチを使用してサービスプロバイダから顧客にデータを提供します。各ユーザーサービスには専用ファイバーおよびルーター/スイッチポートが必要です。一方、PONは1つのルーター/スイッチポート、およびルーター/スイッチポートとパッシブスプリッター間の単一ファイバーを使用して複数の加入者にサービスを提供し、波長容量を共有します。

PONはAONよりも少ない数のルーターポートとファイバー接続を使用して加入者にサービスを提供します。PONアーキテクチャは障害の可能性を最小限に抑えるため、家、病院、ホテル、リゾート、キャンパスなど、加入者の所在場所に高速で信頼できる接続を提供するサービスプロバイダにとって最適です。。

パッシブ光ネットワークで解決できる問題は？

PONサービスでは、単一ルーター/スイッチポートから複数のクライアントをサポートでき、電源供給されていないスプリッターを使用してデータをダイレクトし、ユーザーに送信できます。そのため、サービスプロバイダは運用コストを低く抑えることができ、スプリッターの環境制御を回避し、AONアーキテクチャ上でサービスを提供する場合よりも必要な機器とファイバー数を減らすことができます。

光学ケーブルを使用することで、ユーザーは高速接続にアクセスできるほか、PONはエネルギーの面でも効率的です。つまり、電子機器が電力消費を低減できるようになります。さらにPONは、ダウンストリームとアップストリームの双方に、品質を損うことなく同等の速度でデータを送信できます。

PONの仕組みは？

PONアーキテクチャには2つの主な標準があります。それが、ギガビットPON（GPON）とイーサネットPON（EPON）です。両方とも、データ転送速度は1 Gbpsから10 Gbpsです。1つの送信元（サービスプロバイダ）から複数の加入者に通信が行われるため、PONアーキテクチャはポイントツーマルチポイントリンクを使用します。スプリッターを使用することで、光回線端末（OLT）から単一の√を多くのブランチで複製し、128か所の固有の場所にサービスを提供することができます。

PONアーキテクチャの設定は、サービスプロバイダが光ファイバーネットワークを構築することから始まります。このファイバーサービスネットワークのアクセス終端は顧客に直接接続しますが、もう一方の終端は、サービスプロバイダセントラルオフィスまたはポイントオブプレゼンス（POP）にあるOLTを使用してルーター/スイッチに接続します。OLTは、イーサネットのトラフィックをPONトラフィックに変換します。

光ネットワークは、光ファイバーケーブルで伝送された光ビームを使用してデータを転送する点にご注意ください。ケーブル内のデータ/光がOLTを離れると、加入者に近いビームスプリッターに移動します。パッシブ技術を使用することでスプリッターが光波長を複製し、光ネットワークユニット（ONU）または光ネットワーク端末（ONT）に向けることができます。電力なしでこれを実現するために、PONスプリッターはミラーとガラスを使用して光を屈折させ、目的の場所に向けます。

ONU/ONTは、加入者付近の複数の場所のいずれかに光ファイバー波長を向けます。

• ファイバーから家庭へ（FTTH）
• ファイバーから建物へ（FTTB）
• ファイバーから建物の手前へ（FTTC）
• ファイバーから近隣へ（FTTN）

ジュニパーのPON技術の実装

ブラウンフィールドPONアーキテクチャの1つの問題は、OLT技術のフォームファクターと拡張性です。従来、ファイバーベースのサービスを展開するには、プロバイダーがスペースや電力を消費し、操作コストのかかる大きな専用のOLTシェルフを展開していました。ジュニパーは、統合型PON技術を取り入れることで、その問題を解決することができます。

サービスプロバイダがジュニパー統合型PONを自社のPONアーキテクチャに統合する際は、10G XGS-PON（ITU-T）や10G EPON（IEEE）などのオープンスタンダードで構築されたソリューションを得ることができます。ジュニパーはこれらの業界仕様に従い、使いやすく他のスタンダードベースのPONシステムと互換性が高い、革新的なPON技術を提供しています。

ジュニパー統合PON OLTは、10G PONメディアアクセス制御（MAC）ブリッジングへの内蔵イーサネットにより、ホットプラグが可能です。ACXシリーズユニバーサルメトロルーターに直接プラグインし、小規模フォームファクタープラガブルプラス（SFP+）トランシーバーポートをサポートします。事業者は各10GポートがPONまたはイーサネットサービスをサポートするかどうか、ポートごとに選択できます。

ジュニパーの統合PONには多くのアプリケーションがあります。

• 高密度PONアグリゲーション
• 10G XGS-PONおよび10G EPONサービス
• 家庭向けブロードバンドサービス
• 高帯域のビジネス接続
• エンタープライズ/キャンパスPON
• 無線4G/5G Xhaul
• ホスピタリティ/MDUサービス
• プラガブル成長モデルの増加

ジュニパーのプラガブルOLTをACXシリーズルーターとペアリングすることで、サービスプロバイダはネットワーク制御と自動化をさらに向上させることができます。プロバイダがすべてのPONコンポーネントや可視化に直接アクセスできるPONマネージャーWebインターフェイスを提供しています。完全にカスタマイズ可能で、ジュニパーの MicroClimate管理システム（MCMS）を通じて提供されており、パッシブ光ネットワークの3つの重要な分野に役立ちます。

PON管理

ブラウザベースのグラフィックユーザーインターフェイス（GUI）を通じて、MCMSは、ネットワーク事業者がアクティブなPONコンポーネントの仮想制御と管理を提供できるようにします。

ノースバウンドインターフェイス

標準のNETCONFプロトコルと公開されたYANGデータモデルを使用。

分散型PON制御

OLTからPON管理までONU管理制御インターフェイス（OMCI）、運用、アドミニストレーションおよび管理（OAM）通信を容易にし、外部サーバーによる拡張可能な展開をサポートしています。また、統合済みのJunosオペレーティングシステムで、ACXシリーズルーターに統合することも可能です。

Junos OSは、高レベルのパフォーマンス、オーケストレーション、およびセキュリティを提供します。また、全てがジュニパー技術プラットフォームで実行されるため、他のベンダーの事例でよくあるように、複数のオペレーティングシステムを学習し、サポートする必要はありません。