PTX10001およびPTX10003固定構成ルーターデータシート

• 電力にかかるコスト：クラウドプロバイダや通信プロバイダにとって、コア経由でパケットを伝送するための運用コストは、そのパケットを動かすために必要な電力コストよりも小さくなります。しかし、数年の間に、総消費電力がネットワークインフラストラクチャ全体の導入コストを上回ることが予測されています。コアルーターの効率的な電力利用には、ゼロからの包括的なエンジニアリングアプローチが必要です。
• 設備の限界：サービスプロバイダは、いつまでも施設を飛躍的に拡大することはできません。サービスプロバイダは、いつまでも施設を飛躍的に拡大することはできません。設置可能面積や設備の電力要件、フロアの重量しきい値に合わせて最適化した、運用負荷の少ない導入モデルを提供するイノベーションを必要としています。配信拠点となる本社には、欧州電気通信標準化機構（ETSI）標準を満たすという負担が追加されます。トランジットルーターのイノベーションは、これらの制約の範囲内で運用する必要があります。

これらの課題に対応するため、クラウドプロバイダや通信プロバイダは、3つの特徴的な原則を満たす革新的で拡張性のあるコアルーターを必要としています：パフォーマンス、容易な導入、SDN のプログラマビリティ。PTX10001-36MRおよびPTX10003固定構成パケットトランスポートルーターは、スケールアウト型コアバックボーンアーキテクチャの基盤となり、地域全体でユーザーエクスペリエンスを一貫した状態に保つことができます。PTX10001-36MRおよびPTX10003は、既存の従来のコア要件をすべて満たしており、インターネットピアリング、スケールアウトメトロおよびバックボーントポロジー、ラベルスイッチングルーター（LSR）で最適化された導入など、トランジットを重視したIP/MPLSアプリケーションを必要とするクラウドや通信プロバイダのネットワークにも容易に適合することができます。

PTX10001-36MRおよびPTX10003固定構成パケットトランスポートルーターは、クラウドやサービスプロバイダのコアネットワークに物理的イノベーションとバーチャルイノベーションをもたらし、以下の機能により、運用コストに対する懸念に対応するとともに、トラフィック需要の増加に合わせて有機的に拡張することができます。

• コアルーティング：PTX10001-36MRおよびPTX10003では、セキュアな接続性と高い柔軟性を備えた、非常に拡張性が高いながらもコンパクトな1または3 Uフォームファクタを採用しています。
• ピアリング：PTXシリーズの固定プラットフォームは、スペースや電力に制約のある環境において、トラフィックを完全に可視化し、L3サービスを提供するスケールアウトピアリングに最適な製品です。
• LSR：PTXシリーズの固定プラットフォームは、LSRルーターとしてマルチプレーンコアネットワーク向けに8Tbps、9.6Tbps、16Tbpsの総容量を提供します。また、スパインリーフ型アーキテクチャのLSRファブリックノードとして配置することで、拡張性を向上させて、影響範囲の縮小を図ることができます。
• CDNゲートウェイ：コンパクトなPTXシリーズは、1、2、3 Uの固定フォームファクタで高いルーティング拡張性を実現し、完全に可視化されたトラフィック統計データとディープバッファを提供します。
• データセンターの相互接続（DCI）：PTX10001-36MRおよびPTX10003は、スループットやレイテンシの面で妥協することなく、安全なインラインMACsecを提供し、400GbE ZR / ZR+による拡張性を提供します。

PTXシリーズの固定構成ルーターはコアシリコンレベルで物理的に革新しており、OpExを削減し、トラフィックパターンの変化に応じたスムーズな移行経路で、スケールアウト型アーキテクチャにも対応することができます。

PTX10003にはExpress3シリコンが搭載されており、同じIP/MPLS機能を提供しながら、パフォーマンス上の犠牲を払うことなく、高密度な100/200/400GbEインタフェースとインライン100GbE MACsecをサポートします。Express3シリコンにより、他のコアルーターにデプロイされている複雑で過剰設計されたネットワーク処理装置（NPU）に見られるような、複雑なノコギリ波状のパケットプロファイルを必要としません。これにより、拡大するトラフィック需要に対応するために必要となるピアリングスケールを実現します。

これらのデバイスは、ジュニパーネットワークスのJunos^®Expressシリコンのコンセプトである、IPトラフィックとMPLSトランスポートの両方に対して、最適化されたシステムの電力プロファイルを犠牲にすることなく、一貫した低レイテンシと有線速度のパケットパフォーマンスを実現するという概念に基づいて構築されています。これらのコンセプトは、Junos Express チップセットの元々の考え方を保持しながら、すべての IP 機能と共に PTX シリーズの設計に組み込まれています。Express3シリコンは初の電気通信専用シリコンで、3Dメモリアーキテクチャを基本設計に組み込み、1秒あたり16億回を超えるフィルター処理と、動的なテーブルメモリの割り当てを可能にし、IP ルーティングの拡張性を高め、電力効率を大幅に向上させます。PTX10003は、10/40/100GbEを使用するすべてのインターフェイスでインラインMACsecをサポートしています。

PTX10001-36MRには、Expressシリコンファミリーの拡張性に優れた次世代ASICであるJuniper Express4シリコンが搭載されています。これは、業界初の400GbEチップ用インラインMACsecであり、ユニバーサルマルチレートQSFP56-DDをサポートします。Juniper Express4シリコンは、一貫した低レイテンシ、8mカウンター、全ポートが対応する256 AES MACsec暗号化、IPトラフィックにおける有線速度のパケットパフォーマンスを実現し、最適化されたシステム電力プロファイルを犠牲にすることもありません。Junos Expressシリコンファミリーのコンセプトを受け継ぐJuniper Express4シリコンは、基本設計に3Dメモリアーキテクチャを採用した初の通信専用シリコンで、ラックユニット数を最小限に抑えながら、業界最高のギガビットあたりのパケットパフォーマンスを提供します。また、動的なテーブルメモリの割り当てで、IPルーティングの拡張性を大幅に高め、ギガあたり0.14ワットという驚異的な電力効率を実現します。

拡張性や運用の柔軟性、SDN制御に関するコアネットワーク構築要件に対するプロバイダの対応能力は、シリコンに依存します。PTXシリーズの固定構成ルーターを利用することで、事業者はSDN制御によるコアアーキテクチャを展開することができます。ジュニパーネットワークスのParagon Pathfinderを、堅牢でフル機能を備えたインターネットバックボーンルーターと、優れたパフォーマンスを実現する400GbEコヒーレント伝送を内蔵した地域IP/MPLSコアルーターを組み合わせることで、事業者は事前対応型の監視とwhat-if計画機能を通じて、ネットワークインフラストラクチャを調整できるようになります。Paragon Pathfinderは、ユーザー定義の制約条件に基づいて、グローバルビューを使用して明示的ルーティングパスを動的に作成し、完全自律型の運用を実現します。

PTXシリーズルーターの設計原理の1つは「拡張性」であり、ネットワークオペレータは増大するトラフィック需要にスムーズに対応することができます。PTXシリーズの固定構成ルーターは、予測可能なシステムレイテンシでネットワークエンジニアリングにおける課題を簡素化し、プロバイダが厳しいカスタマーサービスレベル合意（SLA）を満たすために役立つクラス最高の耐障害性を提供することで、総合的なサービスエクスペリエンスを向上させます。

PTXシリーズのルーターを設計するにあたり考慮されたもう1つの点は運用効率性であり、ネットワークオペレータの運用予算に影響する電力、スペース、重量にも重点が置かれています。ジュニパーでは、データセンター施設の今現在と将来の要件の両方を満たすことを考慮してPTXシリーズを設計しています。

SDNプログラマビリティがサービスプロバイダのコアにバーチャルイノベーションをもたらし、Paragon Pathfinderが、正確なSDN制御でIP層とトランスポート層の両方を最適化するオープンでスタンダードベースのソリューションを提供するため、ネットワーク事業者は運用を簡単に完全自動化して拡張することができます。

PTX10001-36MRはコンパクトな1Uサイズで、スペースや電力に制約のあるインターネット相互接続点、遠隔地の本社、クラウドホスティングサービスなどを含めたネットワーク全体にある組み込みピアリングポイントに容易に展開することができます。

PTX10001-36MRは、特に電力面で制約のある環境に適しており、0.14W/Gbpsというこれまでにない電力効率性を実現しています。最大400万のIPv4 FIB、ディープバッファ、組み込み済みの100GbEおよび400GbEのMACsec機能を提供します。PTX10001-36MRは、36個のマルチレートポート（24個の400GbE（QSFP56-DD）ポートと12個の100GbE（QSFP28）ポート）を備えた固定コアルーター構成で9.6Tbpsで動作し、100GbEから400GbE環境への移行を容易に実現します。

PTX10001-36MRは柔軟なインタフェース構成オプションを提供し、100GbE/400GbE対応のユニバーサルマルチレートQSFP-DDにより、QSFP+ブレークアウトで120個の10GbEポート、QSFP28-DD（24x2）とQSFP28（12）で60個の100GbEポート、QSFP56-DDブレークアウト（24x4）とQSFP28（12）で108個の100GbEポート、QSFP56-DDで24個の400GbEポートをサポートします。PTX10001-36MRは、ポート速度に関係なく、すべてのポートでMACSecをサポートします。

PTX10003はコンパクトな3 U筐体を備えた固定構成コアルーターで、スペースに制約のあるインターネット相互接続点、リモート本社、およびクラウドホストサービスを含むネットワーク全体に埋め込まれたピアリングポイントに簡単に導入できます。最大400万のFIB、ディープバッファ、組み込み済みの100GbE MACsec機能を提供します。

PTX10003 は、0.2 w/Gbpsという電力効率を提供することで、電力に制約のある環境に特化して対応します。PTX10003 には 2 つのバージョンがあり、3 U 筐体でそれぞれ 8 Tbps と 16 Tbps に対応しています。

固定コアルーター構成で動作する8Tbpsモデルは、100GbE/400GbE用のユニバーサルマルチレートQSFP-DDによる柔軟なインターフェース構成を特徴としており、160個の（QSFP+）10GbEポート、80個の（QSFP28）100GbEポート、32個の（QSFP28-DD）200GbEポート、16個の（QSFP56-DD）400GbEポートに対応します。

16Tbpsモデルにも100GbE/400GbE用のユニバーサルマルチレートQSFP-DDが搭載されており、320個の（QSFP+）10GbEポート、160個の（QSFP28）100GbEポート、64個の（QSFP28-DD）200GbEポート、32個の（QSFP56-DD）400GbEポートに対応します。

PTX10001-36MRおよびPTX10003ルーターは、QSFPアダプターであるMAM1Q00A-QSAを通してネイティブSFP+トランシーバーに対応します。このオプションは、10KMを超えるシングルモードファイバーリンクでの10GE接続が必要な場合に展開可能です。

パフォーマンスはPTXシリーズパケットトランスポートルーターの設計原則の1つです。原則の1つとして考慮されていることから、クラウドプロバイダやサービスプロバイダは、トラフィック量の増加やネットワークエンジニアリング上の課題に対応できる優れた拡張性と予測可能なシステムレイテンシでサービスエクスペリエンス全体を向上させて、クラス最高の耐障害性を提供し、お客様の厳格なSLAを満たすサービスを確保できます。PTXシリーズルーターは、増大するトラフィックを考慮したサービスプロバイダの運用予算に影響を与える根本的な懸念事項である電力、スペース、重量にフォーカスしていますが、導入しやすさはこれに加わるもう1つの設計原則です。

自動化とテレメトリが提供する無限のプログラマビリティにより、クラウドプロバイダとサービスプロバイダのコアにバーチャルイノベーションをもたらします。同時に、オープンなスタンダードベースのソリューションであるParagon Pathfinderが、正確なSDN制御でIP層とトランスポート層の両方を最適化するため、サービスプロバイダは効率性、シンプルさ、セキュリティを兼ね備えた運用の自動化と拡張性が得られます。

Junosの一元管理エクスペリエンスは、PTXシリーズプラットフォームとソリューション全体で運用の一貫性と統一性を実現します。Junos Evolvedは市場で最も新しいOSであり、信頼性、耐障害性、高速性、統合の簡素化を考慮してゼロから設計されています。

表1は、固定構成PTXシリーズパケットトランスポートルーターの特長をまとめたものです。

• 1 個のスモール フォームファクタ プラガブル トランシーバ（SFP/SFP+）ポートまたは高精度時刻同期プロトコル（PTP）グランドマスター
• ファイバー（SFP）または 10/100/1000BASE-T（RJ-45）イーサネット管理ポート
• SMB イン、SMB アウト、10 MHz イン、10 MHz アウト
• コンソール ポート x 1
• USB 2.0 ストレージ インターフェイス

• 動作時温度：0～46℃（32～115°F）、海抜ゼロ
• 保管時温度：-40～70°C（-40～158°F）
• 動作時高度：最高 3048m（10,000 フィート）
• 動作時相対湿度：5～90%（結露しないこと）
• 非動作時相対湿度：5～95%（結露しないこと）
• 耐震：GR-63、ゾーン 4 地震環境の要件に準拠

• CAN/CSA-C22.2 No. 60950-1 Information Technology Equipment—Safety
• UL 60950-1 Information Technology Equipment—Safety
• EN 60950-1 Information Technology Equipment—Safety
• IEC 60950-1 Information Technology Equipment—Safety（国ごとの違いに対応）
• EN 60825-1 Safety of Laser Products—Part 1: Equipment Classification

• 47CFR Part 15（FCC）Class A
• ICES-003 Class A
• EN 55022 Class A
• CISPR 22 Class A
• EN 55024
• CISPR 24
• EN 300 386
• VCCI Class A
• AS/NZA CISPR22 Class A
• KN22 Class A
• CNS 13438 Class A
• EN 61000-3-2
• EN 61000-3-3
• ETSI
• ETSI EN 300 019：Environmental Conditions & Environmental Tests for Telecommunications Equipment
• ETSI EN 300 019-2-1 (2000)—Storage
• ETSI EN 300 019-2-2 (1999)—Transportation
• ETSI EN 300 019-2-3 (2003)—Stationary Use at Weather-protected Locations
• ETS 300753 (1997)—Acoustic noise emitted by telecommunications equipment

  有害物質の使用制限（RoHS）6/6

      シルバー PSU 効率

      リサイクル材

  WEEE（Waste Electronics and Electrical Equipment）

  化学物質の登録、評価、認可、制限に関する規則（REACH）

     中国版 RoHS（有害物質の使用制限）

• Common Language Equipment Identifier（CLEI）コード

ジュニパーネットワークスは、ネットワークの高速化、拡張、最適化を実現する高度なパフォーマンスサービスに対応するリーダーです。当社のサービスをご利用いただくと、コストを削減し、リスクを最小限に抑えながら、業務効率を最大限に高めることが可能となり、早期にネットワーク投資の価値を高めることができます。ジュニパーネットワークスは、必要なレベルのパフォーマンス、信頼性、および可用性を維持するようにネットワークを最適化することで、オペレーショナルエクセレンスを確保します。詳細については、https://www.juniper.net/jp/ja/products.htmlをご覧ください。

ジュニパーの自動サポートと防御は、運用の簡素化と合理化、運用効率の向上、ダウンタイムの削減、およびジュニパーネットワークスの Junos オペレーティングシステムを実行するネットワークの ROI の向上を目的としたツール、アプリケーション、システムのエコシステムで構成されています。自動サポートと防御は、インシデント管理、在庫管理、予防的なバグ通知、オンデマンド EOL/EOS/EOE レポートなどの時間のかかるタスクを自動化することにより、運用効率を高めます。Junos Space^® Service Nowおよびサービスインサイトサービスの自動化ツールは、すべてのジュニパーケア契約に標準で含まれています。

保証情報については、www.juniper.net/support/warranty/をご覧ください。

Virtual PTXは、PTXの機能および性能をラボで評価する際にご利用いただけます。テスト環境であるVMM（Virtual Machine Manager）でVirtual PTXを実行される場合は、詳細についてお住いの地域のジュニパーアカウントチームにお問い合わせください。

ジュニパーネットワークスは、ネットワーク運用を劇的に簡素化し、エンドユーザーに最上のエクスペリエンスを提供することに注力しています。業界をリードするインサイト、自動化、セキュリティ、AIを提供する当社のソリューションは、ビジネスで真の成果をもたらします。つながりを強めることにより、人々の絆がより深まり、幸福、持続可能性、平等という世界最大の課題を解決できるとジュニパーは確信しています。

1000538 - 024 - JP 2022年 12月