Apstraクラウドサービスデータシート

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製品概要

クラウドホストのAIネイティブ機能スイートであるApstraクラウドサービスは、ドメイン間の可視化、アプリケーションアシュアランス、予測および事前対応型のメンテナンス、根本的原因の分析、トラブル解決、ワークフローの加速など、プライベートクラウド運用者が抱えるデータセンターネットワーク運用上のあらゆる課題に対処するように設計されています。Apstraクラウドサービス(ACS)は、Apstraの業界をリードするマルチベンダーインテントベースのネットワーキング(IBN)と連携して、真にユニークなAIOpsエクスペリエンスを実現します。アプリケーションの可視化と広帯域ネットワークデータを組み合わせることで、包括的なネットワーク運用ソリューションを構築します。

 

製品の説明

Juniper Apstraは、Day 0からDay 2以降までのデータセンターネットワークの設計、導入、運用を自動化および検証する、マルチベンダーでインテントベースのネットワーキングソリューションです。ACSは、Apstraやその他のソースからの豊富なデータに基づいて、確率的推論、インサイト、実用的なインテリジェンスを提供するクラウドベースのAIネイティブアプリケーションを追加することで、Apstraを補完します。

ACSとApstraは、アプリケーションの可視性と既存のネットワークデータと統合することで、さまざまなドメインやネットワーク運用全体にわたる複雑な問題に対する包括的なソリューションを提供します。 

ACSは以下のクラウドサービスで構成されています。

  • データセンター向け仮想ネットワークアシスタント「Marvis」(VNA)は、データセンターネットワーク運用チームをサポートするデジタルネットワークのエキスパートとなり、データセンターに対する事前対応型の規定アクションを提供し、AIを搭載したMarvisの対話型インターフェイスを介して運用タスクを簡素化します。AIとインテントベースのネットワーキングが組み合わされたMarvis VNAとApstraを利用することで、データセンターのネットワーク運用チームは問題の解決を迅速化して、時間とコストを節約し、ネットワークの稼働時間を向上することができます。
  • アプリ/サービス認識には、データセンターでホストされているアプリケーションと、その通信方法や消費しているリソースについての詳細が表示されます。エンドポイントとアプリケーション間の関係性と、ファブリックを通じた接続、およびこれらのエンドポイントで使用されるリソースと実行されているアプリケーションを可視化するトポロジーマップを提供します。アプリ/サービス認識により、すべてがどのように適合しているのかを完全に可視化し、理解することができます。
  • 影響分析は、サービスアウェアネスに基づいて構築されており、アラート疲労を軽減し、ネットワークやアプリケーションのトラブルシューティングプロセスで推測する手間を排除します。Apstraグラフデータベースには、ネットワーク監視とフローデータが追加され、データセンターファブリックの状態がアプリケーションやサービスの問題へとマッピング(またはその逆)されており、ネットワークや接続の異常がビジネスのどの部分にどのような影響を与えているのかを迅速に理解することができます。

 

特長とメリット

Marvis Actions

Marvis Actions は、運用の簡素化を推進し、IT のトラブルシューティングを事後対応から事前対応の修復へと変革します。「毎朝のコーヒー」のようにビューを提供することで、組織レベルで影響力の大きいネットワーク問題が可視化され、管理者は何を優先し、何に重点を置くべきかついて正確に把握することができます。

データセンター向けMarvis VNAによって、Marvis Actionsビューのトップレベルにデータセンターコンポーネントが追加され、キャンパスやブランチネットワーク内のユーザーからデータセンター内のアプリケーションにいたるまでのエンタープライズネットワーク全体の異常をエンドツーエンドで可視化することができます。

Figure 1: Marvis Actions dashboard, including data center

図1:Marvis Actionsダッシュボード(データセンターを含む)

データセンター向けMarvis VNAは、Apstraの豊富なテレメトリデータを活用して、Marvis Actionsダッシュボード上にデータセンターネットワークの健全性を高レベルから確認できるビューを提供します。Marvisは、データセンタースイッチングデバイス、仮想インフラストラクチャ、物理または論理接続、セキュリティにおける障害や異常と推奨アクションを示します。AIネイティブなインサイトにより、根本的原因の特定と問題解決が迅速化されます。より詳細な情報が必要なときも、ワンクリックで Apstra ユーザーインターフェイスの画面が開き、トラブルシューティングを 継続できます。

Figure 2: Marvis VNA for Data Center actions dashboard

図2:データセンター向けMarvis VNAアクションダッシュボード

データセンターダッシュボードからカテゴリを選択することで、ケーブルの不備やMTUの問題など、特定のメトリックの詳細を確認することができます。表1は、データセンターアクションのカテゴリとメトリクスの一覧です。

表1:データセンター向けMarvis VNAのアクションのカテゴリとメトリック
 
レイヤー1&2
誤ったケーブル配線
不良のオプティクス
インターフェイスフラッピング
リンクステータスの不一致
パケットの破棄
接続性
欠落ルート
BGPの不一致
LAGの不均衡
MLAG不均衡
BGPフラッピング
EVPNホストフラッピング
タイプ-3の欠落ルート
タイプ-5の欠落ルート
VXLANフローリストの不一致
デバイス
構成の偏差
導入ステータスの不一致
リソース健全性上の問題
環境健全性上の問題
仮想インフラストラクチャ
構成の不一致
不明VLAN
MTU問題
非冗長ホスト
セキュリティ
802.1xの問題
トラフィック容量
スパイン障害
重要サービスアラート
ホット/コールドインターフェイス警告

 

データセンター向け対話型アシスタントMarvis VNA

Marvisの対話型アシスタントは、高度な自然言語処理(NLP)と生成AI(GenAI)を使用して、ユーザーの意図と目標を理解し、自然言語による質問をコンテキスト化することで、トラブルシューティングのオペレーションやデータセンターのドキュメント検索などで、具体的な回答を出力します。

Figure 3: Marvis VNA for Data Center conversational interface

図3:データセンター向け対話型インターフェイスMarvis VNA

アプリ/サービス認識

最新のビジネスアプリケーションは、通常、各サービスを個別に開発、導入、拡張することができる疎結合されたマイクロサービスの集合体で構成されています。各アプリケーションやサービスがファブリック全体とどのようにマッピングされ、サービスがどのように通信するのかについて正確に理解することは、面倒な作業です。アプリ/サービス認識には、Apstraと組み合わせることでアプリケーションとサービスデータがビジュアル表示され、サービスの実装と管理のタスクが簡素化され、必要な情報をすぐに確認できます。

sFlow、NetFlow、IPFIX、IFAなどの既存のネットワーク監視プロトコルと、Apstraの豊富なグラフデータ知識と組み合わせて強化することで、ネットワークを包括的にカバーするビューが得られます。ネットワークとサービスデータ間の関係について直接クエリし、従来のデータベースやテーブル間の移動では見つけるのが困難だったインサイトを得ることができます。アプリ/サービス認識では、論理的かつ物理的なトポロジーをアウェアネスしながら、ビジネスに不可欠なシステムについてより深く理解することができます。 

アプリ/サービス認識によってApstraネットワークナレッジグラフにデータが追加されることで、以下が得られます。

  • サービスがネットワークに接続している場所およびアクセスする場所を可視化
  • 「サービスからリソースへ」のマッピングをビジュアルで理解
  • サービスの通信方法に対する理解
  • 各サービスで消費されるリソース使用量

これらの情報により、ポートやリンクがダウンしたり、パフォーマンス低下が発生したときに、どのサービスが影響を受けるのかを正確に把握することができます。適切なサービスパフォーマンスと耐障害性を確保するための計画では、これは非常に重要です。影響分析機能と組み合わせることで、サービス問題の根本的原因を迅速に特定し、ノイズを排除し、平均解決までの時間を短縮することもできます。

Figure 4: App/Service Awareness interface

図4:アプリ/サービス認識インターフェイス

影響分析

データセンターファブリックに問題が発生すると、大量のアラートがしばしば発生します。これらのアラートを分類して、影響を把握し、優先順位を付け、トラブルシューティングを行い、問題を特定するために手動で追加のクエリを実行する作業は時間がかかるだけでなく、サービスがダウンし、ビジネスの生産性が脅かされているときに、非常に悪いタイミングで発生します。影響分析を実行すれば、大量アラートに悩まされることがなくなります。グラフデータベースにクエリし、フローデータを監視し、関係性全体にわたってネットワークの状況をアプリケーションやサービスの問題にマッピングすることで、異常がビジネスの他のどの部分に影響を与えているかを迅速に理解することができます。

影響分析ではAIモデルとMLモデルを活用しており、以下を通してトラブルシューティングエクスペリエンスを革新します。

  • アラート疲労の削減:影響分析は、条件と影響をマッピングすることで情報を集約し、どの以上が問題に関連しているのか、どの異常が副次的影響または無関連なのかを区別するのに役立ちます。これにより、無関係なアラートに圧倒されることなく、重要な問題に集中することができます。
  • 問題と影響を明確に把握:影響分析では、アプリケーションに影響を与える問題を包括的に把握することができます。問題とその影響をよりよく理解することができるため、より効率的に優先順位を付けて解決することができます。
  • 異常分析用のML:影響分析は、MLアルゴリズムを使用して、グラフデータベースデータ、生のテレメトリデータ、ネットワークソースからのデータを分析し、状況とその影響をマッピングします。このプロセスにより、トラブルシューティングプロセスにおける憶測がさらに最小限に抑えられます。
  • 異なる時間の状態を比較:影響分析では、異なる時点でのリソースの状態を比較することができます。この機能により、アプリケーションのパフォーマンスに影響を与える可能性のある傾向、パターン、潜在的なボトルネックを特定できます。
  • 迅速なリカバリ:問題とその影響をより明確に理解することで、より迅速に問題に対処して、素早くアプリケーションの稼働を再開させることができます。
Figure 5: Juniper Apstra Impact Analysis interface

図5:影響分析インターフェイス

ダッシュボード

Apstraクラウドサービスはユーザー定義のダッシュボードをサポートしており、インベントリやリソースの使用など、関心のあるメトリクスに関するインサイトを表示することができます。Apstraで管理しているデータセンターが複数ある場合(異なる地域や組織など)、すべてのネットワークをグローバルビューで表示したり、フィルターして特定のサイトのビューにすることができます。

ユーザーは、幅広く揃ったダッシュボードウィジェットから選択して、以下を表示することができます。

  • トップトーカー
  • クラスターの健全性とバージョン
  • ポート数別の上位デバイス
  • 異常の上位
  • インベントリ:デバイスと仮想ネットワーク
  • ポートアクティビティ
  • 概要の概要:サイト、デバイス、サービス、異常の合計数
  • Apstraの地理的な位置
  • Apstraバージョン
  • サイトの概要
  • サイトの比較
Figure 6: Juniper Service Aware Dashboard interface

図6:ダッシュボードインターフェイス

マルチベンダー互換性

Apstraは本質的にマルチベンダーであり、ジュニパー製だけでなく多くのサードパーティ製スイッチングデバイスでも動作します。Apstraクラウドサービスにはこのマルチベンダー特性が継承されており、どのスイッチングベンダーを導入しているかに関わらず、サービス、データセンターネットワークの健全性、異常検知、影響分析、推奨アクションを同じレベルで可視化することができます。

 

Apstraとの統合

ACSはクラウドベースであり、Apstraはプレミスベースです。2つのアプリケーション間の接続は、REST APIリクエスト、レスポンス、遠隔測定データとアラートのストリーミングをサポートするセキュアなWebSocket接続を介して行われます。

Figure 7: ACS – Apstra Integration

図7:ACS – Apstraの統合

注文情報

Apstraクラウドサービスは、ライセンス層に応じてApstraに含まれています。

Apstraクラウドサービスライセンス層
データセンター向けMarvis VNAスタンダード以上
アプリ/サービス認識Premium
影響分析Premium

 

ジュニパーネットワークスについて

ジュニパーネットワークスは、単なる接続性は優れた接続エクスペリエンスと同じではないと考えています。ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームは、AIを活用し、エッジからデータセンター、クラウドにいたるまで、最高かつ安全で持続可能なユーザーエクスペリエンスを実現することを目的に、ゼロから構築されています。詳細についてはjuniper.netをご覧いただくか、X(旧Twitter)、LinkedInFacebookでジュニパーをフォローしてご確認ください。

 

1000796 - 001 - 英語 2024年9月